【小学生~中学生年齢別】ミステリー・推理小説大好き!おすすめ本25選 実例に基づいてご紹介

児童書・小説

読み始めると先が気になって仕方ないミステリー小説。
普段読書をしない子でも気が付いたら一冊読めていた、なんてことも起こりえるのがミステリー小説の嬉しいところでもあります。

ミステリーと一口に言っても、殺人事件が起きるものもあれば、日常のちょっとした謎を解いていくようなものもあります。
ミステリー小説はとてもおもしろいですが、中には衝撃的な描写もあってトラウマになってしまう子もいるかもしれません。

そこで、この記事では、小学校中学年から中学生の子が安心して楽しめるミステリー小説を年齢別に紹介します。

内容を考慮して、読むのにおすすめの年齢と、実際に我が家の子どもが読んでいた年齢も記載しますので、参考にしてくださいね。

  1. 小学校中学年(3,4年生)におすすめ
    1. 星のカービィ ナゾと事件のプププトレイン!?の巻 高瀬美恵 角川つばさ文庫
    2. 星のカービィ 雪山の夜は事件でいっぱい!の巻 高瀬美恵 角川つばさ文庫
    3. 放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件 知念実希人 ライツ社
    4. 放課後ミステリクラブ 2雪のミステリーサークル事件 知念実希人 ライツ社
    5. ズッコケ三人組対怪盗X 那須正幹 ポプラ社文庫
    6. ズッコケ三人組のミステリーツアー 那須正幹 ポプラ社文庫
  2. 小学校高学年(5,6年生)~中学生におすすめ
    1. 名探偵夢水清志郎事件ノート そして五人がいなくなる はやみねかおる 講談社青い鳥文庫
    2. 名探偵夢水清志郎事件ノート 消える総生島 はやみねかおる 講談社青い鳥文庫
    3. オリエント急行とパンドラの匣 はやみねかおる 講談社青い鳥文庫
    4. 少年名探偵虹北恭助の冒険 はやみねかおる 星海社
    5. かがみの孤城 辻村深月 ポプラ文庫
    6. オリエント急行殺人事件 アガサ・クリスティー
    7. アクロイド殺し アガサ・クリスティー
    8. そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー
    9. シャーロック・ホームズの冒険 コナン・ドイル
  3. 中学生におすすめ
    1. 赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。 青柳碧人 双葉文庫
    2. むかしむかしあるところに、死体がありました。 青柳碧人 双葉文庫
    3. 謎解きはディナーのあとで 東川篤哉 小学館
    4. 宝石商リチャード氏の謎鑑定 辻村七子 集英社オレンジ文庫
    5. 世界でいちばん透きとおった物語 杉井光 新潮文庫
    6. 本と鍵の季節 米澤穂信 集英社文庫
    7. 和菓子のアン 坂木司 光文社文庫
    8. 歌舞伎座の怪紳士 近藤史恵 徳間文庫
    9. 黒牢城 米澤穂信 角川文庫
    10. 名探偵の生まれる夜 大正謎百景 青柳碧人 角川書店
  4. おわりに

小学校中学年(3,4年生)におすすめ

星のカービィ ナゾと事件のプププトレイン!?の巻 高瀬美恵 角川つばさ文庫

ゲームでもおなじみ、星のカービィと仲間たちがたくさん登場するこのシリーズの中でもミステリー色の強い作品です。
電車といえば密室。なんだか事件が起こりそうですよね。このプププトレインでも、不思議な出来事が次々と起こります。
でも、殺人などの怖い事件ではないので小学生低学年、中学年の子どもでも安心。
新しく開設された惑星間鉄道路線を旅しながら、不思議な出来事に立ち向かうカービイたちは無事に目的地に着けるのか?不思議な出来事の謎は解けるのか?
最後まで読みたくなる仕掛けがたくさんのお話です。

我が家の子は、小学校1年生の時に初めて読みました。
怖がりの子ですが、楽しく読んでいますよ。
高学年になっても楽しんでいます。

星のカービィ 雪山の夜は事件でいっぱい!の巻 高瀬美恵 角川つばさ文庫

こちらも星のカービィシリーズの一作。
雪山に招待されたカービィとその仲間たち。喜んで雪山のロッジに到着するも、なんだか様子がおかしい。ロッジからの連絡手段も全て閉ざされていました。
と、展開はおとな向けミステリーにもよくある雰囲気ですが、殺人などの事件ではないので、小学生でも安心して読むことが出来ます。
伏線に気が付いたり、少しずつ謎が解けていったりするミステリーの面白さが感じられます。

こちらは発売が2024年と最近なので、我が子は小学校高学年になってから読みましたが、低学年の子でも大丈夫な内容です。
我が子は怖がりですが、この本を読んで「ミステリーっておもしろいな」と感じたそうです。

放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件 知念実希人 ライツ社

大人向けミステリー小説を書かれる知念実希人さんの子ども向けミステリーで、児童書で初めて本屋大賞にノミネートされた作品でもあります。
夜の学校。プールに放たれた金魚…。プールの授業が休みになって喜ぶ子どもたち。
誰がなんのために…?調べていくと違和感が次々に見つかります。
プロローグはおとなのミステリさながらの「何か起きそう!」な雰囲気が満載でドキドキ。
人の死なないミステリで、謎解きをするのは、ミステリクラブを結成している個性豊かな小学生3人組です。

本をよく読む子は低学年~、中学年になるとたくさんの子が楽しめそうです。
ミステリーの入り口におすすめ!

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放課後ミステリクラブ 2雪のミステリーサークル事件 知念実希人 ライツ社

大雪が降ったあと、校庭に現れた大きなミステリーサークル。
しかし、誰かが書いたような形跡がありません。
誰が何のために?
この謎にミステリクラブの三人が挑みます。
こちらも殺人や泥棒など怖いことは起こりませんので、安心して読むことが出来ます。
しかし、漂う雰囲気は不可解で謎めいており、結構ドキドキします。
伏線が張り巡らされているので、自分でも犯人の予想をする楽しさが味わえます。

こちらも読書好きな子なら低学年から。中学年になると多くの子が楽しめるでしょう。
個人的には、このシリーズの中で一番好きな作品です。

ズッコケ三人組対怪盗X 那須正幹 ポプラ社文庫

今のお父さん、お母さんが小学生の頃に大人気だったズッコケ三人組シリーズ。
小学6年生の男の子三人組を主人公とし、日常生活で起こる出来事に奔走したりやタイムスリップしたりするものなど様々なお話がありますが、こちらは三人組が怪盗と対決します。
怪盗が狙うお宝を三人組が知恵を合わせて守ることに。
小学生とは縁遠い怪盗との直接対決にワクワクドキドキが止まりません。
シリーズですが、1巻完結ものなので、どの巻から読んでも楽しめますよ。

私自身が小学校中学年~ずっと大好きだった児童書です。
我が子も小4で読みました。

ズッコケ三人組のミステリーツアー 那須正幹 ポプラ社文庫

ズッコケ三人組ハチベエ、ハカセ、モーちゃんがひょんなことから行先の分からないミステリーツアーに参加することに。
ズッコケ三人組シリーズの中では珍しく殺人事件が起きるお話です。
とはいっても、児童書内の描写なので小学生でも読めますが、怖がりな子は高学年になってからがおすすめ。
結末が気になって一気に最後まで読んでしまうお話です。

私が小学生高学年の時に初めて読んだミステリー作品です。
怖がりながらも、犯人が気になって猛スピードで読んだ記憶があります。
ミステリーは、犯人や動機が気になって最後まで読んでしまえる良さがありますよね。

小学校高学年(5,6年生)~中学生におすすめ

名探偵夢水清志郎事件ノート そして五人がいなくなる はやみねかおる 講談社青い鳥文庫

夏休み。町の遊園地で次々に子どもが消える「怪人伯爵事件」が発生します。
ぐうたらな名探偵が事件に挑み、ひょうひょうと解決していくカッコよさが癖になる作品です。
トリックや伏線の張り方はしっかりミステリ調で、この作品をきっかけにミステリ好きになったという大人も多いでしょう。
一風どころかすべてが変わっている名探偵が主人公で、笑える場面もありつつ、シリアスに問題と向き合う場面もあって心が動かされる物語です。

我が子は小5の時に読んで、夢中になりました。
中学生になってアガサ・クリスティー作品を楽しんでいますが、ミステリー好きになった原点はこの作品です。
小4くらいから中学生まで楽しめると思います。

名探偵夢水清志郎事件ノート 消える総生島 はやみねかおる 講談社青い鳥文庫

とあるきっかけで無人島に行くことになった名探偵と中学生の女の子の三つ子。
島に渡る人数は全員で13人。島に渡ったとたん、あれよあれよと島から出る手段も連絡を取る手段も無くなってしまいます。
絶海の孤島で起きることといえば…。
大人向けミステリー顔負けの展開でドキドキしっぱなしの物語です。
提示された伏線でなんとか謎を解いてみようという闘争心が湧いてくる作品でもあります。

我が子は小5の時に読みました。
王道ミステリーの手法で、ミステリー作品って楽しい!と思うことまちがいなし!
私自身も謎解きに挑戦しましたが、惨敗でした。解けそうで解けない楽しさが味わえます。
親子で読むのもおすすめですよ。

オリエント急行とパンドラの匣 はやみねかおる 講談社青い鳥文庫

古都イスタンブールから華の都パリへと走るオリエント急行が舞台。
あけると人類を危険に晒すというパンドラの匣が盗まれ、どうやらオリエント急行で運ばれているらしい。
そんなオリエント急行に乗り込んでいたのは、名探偵夢水清志郎。そして、怪盗クイーンの影も…。
作者のはやみねかおる先生の大人気シリーズ「怪盗クイーン」と「名探偵夢水清志郎事件ノート」の登場人物がコラボしたお話です。
アガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』をオマージュした作品で、作中にも本家の情報がたくさん登場します。
本家同様に、列車という閉鎖空間で複数の人物が交錯する王道ミステリーが存分に味わえますよ。

我が子は小5の時に読みました。
この本を読んだのちに、本家アガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』を読んでいました。

少年名探偵虹北恭助の冒険 はやみねかおる 星海社

ひとりでにふえてゆく駄菓子屋のおかし。深夜、アーケード街をさまよう透明人間の足跡。なんでも願いをきいてくれるお願いビルディング。虹北商店街で巻き起こる不思議な不思議な謎。
幼馴染の小学6年生コンビが地元の商店街の不可解な謎に立ち向かいます。
本格的な謎解きはもちろん、同級生男女のコンビの関係にも注目のお話です。

我が子は小6の時に読みはじめ、中学生になっても楽しんでいます。
主人公二人の関係の変化も楽しいポイントになっています。
ミステリー初心者のお子さんにもおすすめです。

かがみの孤城 辻村深月 ポプラ文庫

2022年にアニメ映画化された作品です。
学校でのいじめが原因で家に閉じこもるようになった主人公の部屋にある鏡が突然輝きだします。
その光を潜り抜けた先のあったお城。
そこには主人公と似た境遇の7人が集められており、彼らには一つの目的が示されます。
「城に隠された、願いを叶えてくれる鍵を探すこと。」
ファンタジー要素がある作品で、なかなか全体像が見えてこない不思議だらけの展開はミステリー風でもあります。
読み進めるごとに少しずつ明らかになる真相に言葉を失うほどの衝撃が。
伏線が回収されていくミステリーの楽しさも存分に味わえる物語です。

我が子が読んだのは、小6の時。
文庫本上下巻と長い物語ですが、夢中になってあっという間に読み切りました。
辛いことも多い、思春期の子どもたちにぜひ読んで欲しい物語です。

オリエント急行殺人事件 アガサ・クリスティー

ミステリーの女王と言われるアガサ・クリスティーの作品の中で、名探偵ポワロが登場するシリーズの中の一作です。
トルコのイスタンブールからヨーロッパに向けて運行するオリエント急行には様々な国籍、身分の人たちが乗り込んでいます。このオリエント急行が雪で立ち往生を強いられた時、事件が起きます。
たまたま乗り込んでいた名探偵ポワロは犯人を突き止めるべく調査を開始。
乗客への聞き込みや状況調査でだんだんと明らかになっていく事実から、犯人は誰なのか探りながらの読書はとてもスリリングで楽しいです。
ミステリーの面白さがこれでもか!というくらいに味わえる作品。ミステリーが好きな子には、どこかでネタバレを受ける前にぜひ読んで欲しいお話です。

我が子は、中1の時に大人向けの文庫で読みました。
殺人事件は起きますが、凄惨な表現はなく、子どもにも読ませてあげられる雰囲気です。児童書にもなっているので、小学校高学年の子は児童書のものを読むのがおすすめです。

アクロイド殺し アガサ・クリスティー

こちらもアガサ・クリスティーのポワロシリーズの一作で、ミステリー界では非常に有名な作品です。
あるお屋敷の主アクロイドが死体となって発見されます。
ひょんなことからこの事件に関わることになった名探偵ポワロが、アクロイドの周辺を調査し、徐々に犯人に迫っていく物語。
このお話が発表された当時、ミステリー界に大きな衝撃を与え物議を醸した作品で、ミステリーが好きな子にはぜひ読んで欲しいお話です。
真相を知りたくて読む手が止まらず、読み切って結末を知った後にはもう一度最初から読みたくなる魅力あふれる物語です。

我が子は大人向け文庫を中2で読みました。最高に面白かったそう。
凄惨な描写はないので、子どもにも読ませてあげられる雰囲気です。
児童書にもなっているので、小学校高学年のお子さんにはそちらをおすすめします。

そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー

こちらもアガサ・クリスティーの名作。
名探偵の出てこないお話です。
絶海の孤島に集められた男女が、童謡の歌詞の通りに一人ずつ殺されてしまいます。
犯人は誰なのか、ドキドキが止まらず最後まで一気読みしてしまうお話です。
後世にオマージュ作品が多数ある名作なので、こちらを先に読んでおくと楽しみが広がることでしょう。

『オリエント急行殺人事件』や『アクロイド殺し』と違って、現在進行形で話が進んでいくので、怖がりな子にはおすすめできませんが、児童書にもなっているので、「お話」として楽しめるミステリー好きの子にはとてもおすすめです。
お子さんのタイプにもよりますが、小学校高学年から読めるお話です。

シャーロック・ホームズの冒険 コナン・ドイル

超有名な名探偵シャーロックホームズの短編が集まった一冊です。
一話ずつが短めなので、普段読書をしない子や学校の朝読書など時間が無い時にもおすすめです。
一つ一つのトリックが面白く、ミステリーの楽しさを気軽に味わえます。
また、イギリスの雰囲気も存分に楽しめるのも嬉しいポイントです。
おしりたんていとブラウンのように、シャーロックホームズとその助手ワトソンをオマージュした作品は世の中にあふれています。
本家を知っていると世界がもっと広がること間違いなしです。

児童書として発行されているものは、短編の中から更に選ばれたお話だけが収録されており、小学校中学年くらいのお子さんが楽しめるでしょう。
高学年や中学生は大人向けの文庫も読めそうですが、海外の文化や雰囲気を掴むのが大変な場合はイラストが助けてくれる児童書もおすすめです。

中学生におすすめ

一般向け小説の中から、中学生でも安心して読めるミステリーをご紹介します。

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。 青柳碧人 双葉文庫

西洋の童話を元にしたミステリ作品。
主人公の赤ずきんちゃんは行く先々で事件に出会います。
そのたびに、持ち前の推理力で謎を解いていく赤ずきんちゃん。その彼女には大きな目的があって…。
ヘンゼルとグレーテルやシンデレラなど、誰もが知っているお話と登場人物にワクワクドキドキしながら楽しめる作品です。

我が子は小6の時に読みました。
少々大人っぽい表現もあるので、中学生になってから読むのがおすすめです。
続編が次々と刊行されており、どの巻も面白いですよ。

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普段本を読まない子は聴くことから始めるのもおすすめです。
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むかしむかしあるところに、死体がありました。 青柳碧人 双葉文庫

日本の昔話をモチーフにしたミステリ作品。
「浦島太郎」や「鶴の恩返し」などなじみ深い物語がミステリになっています。
個人的には西洋作品をモチーフにした「赤ずきんちゃんシリーズ」よりも、正統派のミステリだと感じています。トリックや伏線があるミステリの面白さを存分に味わうことの出来る作品です。

同じ作者の「赤ずきんシリーズ」よりも、事件の内容が恐ろしい印象です。
怖がりな子は、こちらより「赤ずきんシリーズ」がおすすめ。
様々なトリックが惜しみなく登場するので、怖いものが大丈夫なミステリー好きには非常におすすめです。

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謎解きはディナーのあとで 東川篤哉 小学館

映像化されている作品の原作。
現場にはおらず話を聞いて謎を解くという、いわゆる安楽椅子探偵ものの物語です。
世界的な企業グループの総帥の娘ながら新米刑事になった麗子の「執事」がかっこよく謎を解明していきます。

中学生は安心して読める内容です。
ミステリですが、ポップでコミカルな雰囲気が強く、読みやすい作品です。

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宝石商リチャード氏の謎鑑定 辻村七子 集英社オレンジ文庫

宝石にまつわるミステリー。
酔っ払いに絡まれた美貌の外国人リチャード氏を助けた男子大学生の主人公。そのリチャード氏は敏腕の宝石商でした。
それを知った主人公が、自分の持っていた祖母の形見の宝石鑑定を依頼するところから物語が始まります。
短編が4編収録されており、編ごとにテーマの宝石が決まっています。
謎解きが面白いのもはもちろん、宝石の知識が豊富に詰まっているのも楽しいです。

若者向けのレーベルから出版されていることもあり、表紙も若者受けしそうな雰囲気です。
文体はとても軽くて読みやすいのに、宝石の知識がふんだんに盛り込まれた謎解きは本格的で楽しいですよ。

世界でいちばん透きとおった物語 杉井光 新潮文庫

「癌で死去した大御所のミステリ作家が『世界でいちばん透きとおった物語』というタイトルの小説を死ぬ間際に書いていたらしい。遺作として出版したいが原稿が見つからない。なにか知らないか」と息子である主人公に連絡が入ります。そこで主人公は父の遺稿を狙う別の何者かの妨害を乗り越えながら遺稿を探すことに。
この物語は「電子書籍化不可能!」と大きな話題になりました。
なぜ、電子書籍化が不可能なのか、ぜひ自分の目で確かめて欲しいです。
本を読むことの面白さを存分に味わうことが出来ますよ。

中学生は安心して楽しむことができる物語です。
200ページほどで、内容も難しくないので普段読書をしないお子さんでも読みやすいでしょう。

本と鍵の季節 米澤穂信 集英社文庫

図書委員の男子高校生二人が主人公。
ある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねて来て、亡くなった祖父が遺した開かずの金庫の鍵番号を探り当ててほしいという……。
放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編収録。

高校生の友人関係が軸になっているので、読書感想文にもおすすめ。
事件の内容は、中学生が問題なく読める内容です。

和菓子のアン 坂木司 光文社文庫

食べることが大好きなアンちゃんが、デパートの地下にある和菓子屋さんでアルバイトを始めます。
そこには、ちょっと首を傾げたくなるような謎めいた行動をするお客さんが現れます。「どうして、この時間にこの個数のお菓子を買うのだろう?」そんなことを考えながら、お客さんのために心を尽くして接客するアンちゃんと、アンちゃんを取り巻くお店の仲間たちの物語。
人の死なない日常の謎を扱ったミステリーです。
ミステリー好きな、怖がりさんにはとてもおすすめ。

ほっこりしたお話が好きな子におすすめです。
伏線が回収され謎が解けた時のすっきり感は、しっかりミステリーですよ。
大好きなシリーズです。

歌舞伎座の怪紳士 近藤史恵 徳間文庫

祖母の依頼で請け負った「観劇代行」のアルバイト。
観劇をし、祖母に感想を述べるだけで成立する簡単な仕事なのですが…。
祖母に依頼されたお芝居を見に行くといつも出会う「親切な老紳士」は一体何者?
全体が謎に包まれたお話で、真相に少しずつ近づいていく楽しさが味わえます。
過激なミステリーは苦手という方におすすめの、ちょっと上品な香りのするミステリー作品です。

観劇が好きなお子さんには特におすすめ。
劇場によく行く方はイメージがついてより楽しめるでしょう。

黒牢城 米澤穂信 角川文庫

歴史を舞台にしたミステリーで、直木賞受賞作品です。
敵方に捉えらえた黒田官兵衛が獄中で、外部から持ち込まれた謎を解くスタイルの「安楽椅子探偵」の物語。
実際にこんなことがあったんだろうか、と想像をめぐらしたくなるほどリアルな描写で読後は歴史の教科書を開きたくなります。
短編が集まって全体の話が進行していく連作短編の形式のため、一話がそこまで長くなく読みやすいです。歴史が好きな子には非常におすすめのミステリーです。

全体は長めの本ですが、歴史が好きな子はどんどん読み進められると思います。
もちろん、歴史が苦手でも大丈夫。謎解きは現代の感覚と変わらずに楽しめますよ。

AmazonのオーディオブックAudibleで聴き放題対象作品です。
私はAudibleで聴きました。

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名探偵の生まれる夜 大正謎百景 青柳碧人 角川書店

野口英世、芥川龍之介、与謝野晶子など、大正時代の文豪たちが出会う日常の謎が8編収録されています。
与謝野晶子が乗ったロープウェイが途中で止まったり、野口英世の娘と名乗る少女が現れたり。
軽い調子のミステリーなので読みやすく、気軽な気持ちで楽しめます。
文豪の登場の仕方がそれぞれの話で違うのも楽しいポイントです。

中学生なら、登場する文豪は名前を聞いたことのある人ばかりでしょう。
文豪に興味を持つきっかけになりそうです。

おわりに

読書の楽しさが存分に味わえるミステリー小説。
読み始めると真相を知るためにページをめくる手がとまらなくなります。
様々なトリックがちりばめられているので、映像化が難しく、本ならではの楽しみ方が出来るのもミステリー小説の特徴ですね。

子どもたちにも、ミステリー小説を通して「本の楽しさ」「読書の面白さ」を感じてもらえたら嬉しいですね。

今回ご紹介した本の中にはAmazonのオーディオブックAudible(オーディブル)で聴けるものがたくさんあります。
我が家はAudibleを3年間利用中ですが、豊富なラインナップで飽きることなく楽しめています。

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