
- 元幼稚園教諭
- 元小・中・高生の家庭教師
- 小中学生二児の母
- 子どものころから本が大好き
- 子どもが「本」と仲良くなれる方法を発信中
- 「楽しく学ぶ」をモットーに様々なツールを使って子どもと学習中
歴女だったものの、近代史に苦手意識があった私と、同じく歴女なのに近代史に既に苦手意識を持っている中学生の我が子。
歴史学習前の小学校高学年の我が子。
そんな我が家でヒットした近代史の漫画がコレ。
『もし世界が1つのクラスだったら』
日本開国以降の世界を一つのクラスに例え展開されている歴史漫画です。
小学生・中学生・大人の反応と、良かった点や注意する点などレビューしていきます!
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『もし世界が1つのクラスだったら』とはどんな本?
原作 大橋弘祐
漫画 竹流
監修 神野正史(河合塾講師)
文響社
歴史は暗記科目だと思っていた著者が世界史や日本史の教養を身に着けるために作った!

この本の目的は本の中で以下のように述べられています。
社会人はー
不確実な将来を生き抜くために、教養としての歴史を身につけ、人生に役立てる。学生はー
歴史のおおまかな流れを学び、学校の勉強や受験勉強を始める前の基礎をつくる。『もし世界が一つのクラスだったら』はじめにより引用
子どもに関して言うと、上記の「歴史のおおまかな流れを学ぶ」のに最適な本だと思います。
近代史は特に世界の国の動きが複雑に絡み合って展開していきますが、教科書だと、どうしても地域や大きな出来事ごとに括られて流れがぶつ切りになってしまいがち。
出来事の因果関係が分かることでその後の細かな出来事も暗記ではなく理解できるようになります。

小学校高学年の子でも、日本・ドイツ・イタリアがなぜチームになり、第二次世界大戦に向かっていったのか、世界恐慌からの流れを知って理解することが出来ていました。
日本開国から第二次世界大戦後までの世界と日本の動きを漫画で描いている!

開国から第一次世界大戦、世界恐慌までを扱った上巻、満州事変から第二次世界大戦、そして大戦後の復興までを扱った下巻で構成されています。
歴史の流れの部分は全て漫画。
一章が終わるごとに年表を使ったまとめの解説ページがあります。

読み終わって、開国から第二次世界大戦までの流れが「ストーリー」として頭に残っていることにびっくり!
あんなに教科書を読んで勉強しても覚えられなかったのに…
舞台は世界学園、生徒は国!

一番の特徴がコレ。
普通の歴史漫画と違って登場人物は国を擬人化した人たちです。
- 真面目な「日本くん」
- 学級委員の「イギリスくん」
- 正義と秩序を主張する「アメリカくん」
- 優雅な「フランスちゃん」
他にも様々な国がキャラクター化されて登場しています。

国の性格が掴みやすく、記憶に残りやすいです。
状況に応じて変化していく様子も分かりやすい!
プロイセンがドイツに、ロシアがソ連に変わる様子、アメリカが短期間でどんどん力をつけていく様子などが、人の成長や変化で表現されているのでイメージしやすいです。
『もし世界が1つのクラスだったら』おすすめの人はどんな人?

- 近代史に苦労している中高生
- 近代史を学び始める前の小中学生
- 近代史を学びなおしたい大人
『もし世界が1つのクラスだったら』おすすめポイント

必殺技が名言!作戦名!人名!
頻繁に起こる小競り合いや喧嘩(戦争)の場面に繰り出される必殺技が秀逸。
その戦いに関係する作戦名や戦艦名、指揮した人名などが叫ばれます。
リンカーンの有名な演説のワンフレーズや、ロシアを悩ませる冬将軍、軍艦名のような歴史上重要な言葉があらゆる所に登場し、インパクトがあります。
その言葉についての補足や解説もあるので正しく理解することも出来ます。

小学校高学年の男子がはまったのも、これが一番大きい要素。
バトル漫画のような表現で、必殺技にもインパクトがある。
何度も何度も読んで楽しんでいました。
結果だけでなく、歴史を流れで理解することが出来る
教科書を何度読んでも、どれだけ勉強しても覚えられなかった戦争に向かう流れ。
交わされた条約、破棄された条約。
これが、ストーリーを追っていると自然に入ってくるのにびっくり!
各国の思惑や策略などがしっかりストーリの中に組み込まれています。
その分情報量が多いですが、因果関係を分かって理解することが出来るので、自然に覚えることが出来ます。

「この事件って何に繋がるんだっけ…?」
「この条約って何の条約だっけ?」
という悩みが無くなりました。スゴイ!
『もし世界が1つのクラスだったら』注意するところ


あくまでも一つの見方であることを知り、この本一冊で学べるという考えは持たないこと。
著者も書いていますが、歴史については解釈は人それぞれで、立場によってもその表現は異なってきますよね。
ですから、この本の解釈や表現が全てではないことをお子さんに分かるように伝えてあげることは必要だと思います。
この本を読んで興味を持ったのなら、違う本を読んだり、テレビ番組を見たりしてさらに世界を広げていけるといいですよね。

必殺技などはインパクトがあり面白いが、実際には多くの犠牲があった歴史を扱っていることを知ること。
必殺技が秀逸で真似したくなります。(大人でも)
ただ、これは、歴史の中のことであることを忘れないようにしたいです。
その作戦名を聞いて嫌悪感を示す人や、国もあるかもしれません。
我が子もこの本をとても面白がって読んでいたので、補足するように心掛けました。
『もし世界が1つのクラスだったら』子どもの反応

歴史学習前の小学校高学年男子の場合
- 必殺技に夢中
- バトル漫画が気に入る
- 近代史を物語として素直に受け止める
- 物語の中で出てきた言葉やフレーズについて興味を持ち、聞いてくる
- 物語として面白く、何度も何度も繰り返し読む

とにかく気に入って何度も読んでいます。
「無条件降伏って何?」
「ソ連の前ってロシアだったんだね」
「独ソ不可侵条約、破られてるー」
「テキサスって国だったんだ」
「三国同盟、無理じゃん…」
などなど、ありとあらゆる情報が気になって仕方がない様子。
「おおまかな流れを知る」「興味を持つ」という視点で見ると100点満点ですね!
近代史学習前の歴史好き中学生女子の場合

難しかった~!
読後の第一声がコレ。
歴史が好きで、「勉強しよう」「知ろう」という気持ちが大きく、ただただ漫画を楽しむ姿勢でなかったのが原因のようです。
というのも、この本、本当に中身がしっかりしていて、擬人化した国の動向がかなり細かく表現されているため、全部の表現や補足を拾っていくと結構大変。
一度学習した人が読むのはまだしも、ゼロの状態の子が真面目に読むと疲れてしまうかもしれませんね。

おすすめは、一度目はあえてゆる~く読んでみること。
歴史だけれど、ストーリーを楽しむ事に重点を置くと良いと思います。
まとめ

大人になればなるほど、近代史の重要性が身に染みてくるようになりました。
今世界で起きている戦争を考える時、外国の人と交流する時、日本の未来を考える時。
近代史を知ることで、視野がぐんと広がるのを感じます。
実際に「近代史」に触れた子どもを見ていると、ニュースに対する見方も一段深くなったように感じます。
学習が始まると、「苦手」「分からない」「面白くない」が連発される歴史・近代史。
その意識を持つ前におおまかに触れられる近代史の本としてこの本はとてもおすすめです。
まずは、「面白そう」「楽しい」から始めてみませんか?
歴史好きの子が実際に読んだ本はこちらで紹介しています。