おすすめのファンタジー小説の中から、恋愛模様も楽しめる物語を集めました。
どれも、ファンタジー小説としても文句なしの名作ばかりで、ファンタジーとしての土台がしっかりした素敵な作品ばかりです。
本を読みなれている子はもちろん、読書はあまりしないけれど、ディズニーのようなファンタジー映画やラブコメ映画が好きな子も気軽に楽しめる本をたくさんご紹介します。

- 元幼稚園教諭
- 元小・中・高生の家庭教師
- 小中学生二児の母
- 子どものころから本が大好き
- 子どもが「本」と仲良くなれる方法を発信中
- 「楽しく学ぶ」をモットーに様々なツールを使って子どもと学習中
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これは王国のかぎ 萩原規子 角川文庫
15歳の中学生の女の子が主人公。
失恋し泣きつかれて眠り目が覚めたら…なんとそこはアラビアンナイトの世界だった!というところから始まる物語。
偶然出会った青年とともに、数々の危険を潜り抜けながらアラビアンナイトの世界を旅します。
自分が自分でいることが嫌になった少女がアラビアンナイトの世界で出会ったものとは。
15歳の少女のちょっとかわった大冒険の物語。
主人公が失恋するシーン、そして自分が嫌になってしまう冒頭のシーンは、多くの人が共感することでしょう。順風満帆な主人公ではないところに親しみやすさがあります。
そんな主人公がアラビアンナイトの世界に迷い込み一人の青年に出会い、旅をしていく中でどんどん成長していく姿にワクワクします。
自由奔放な青年と、自立しようともがく女の子の対比が面白く、2人の関係にもキュンとする楽しい物語です。

ディズニー映画のアラジンの世界観が好きな子には特におすすめ♪
偽のプリンセスと糸車の呪い シャンナ・スウェンドソン 創元推理文庫
主人公は16歳の誕生日を迎えたルーシーと親友ドーン。
いつも一緒の二人ですが、ドーンは今年の誕生日に限って育ての親から外出を禁止されます。
一人になったルーシーは突然現れた奇妙な騎馬の男たちに連れ去られ⋯着いた所はなんとおとぎの世界でした。親友を助けるためにドーンも後を追いますが…。
普通の女子高生がおとぎの世界で経験する最高にドキドキして最高にロマンチックなファンタジー。
二人の少女がたどり着いたおとぎの世界は、日本人にも馴染みのあるお話で、所々に既視感があるのが楽しいポイント。
なぜ、ドーンは外出を禁止されたのか、ルーシーは連れ去られたのか、謎解きの側面もあり、真実が分かっていく爽快感も味わえます。
そして何と言っても、おとぎ話といえば、ロマンチックな恋愛要素。
現代的な感覚とおとぎ話のロマンチックさが絶妙に合わさって最高にワクワクする物語です。

作者のシャンナ・スウェンドソンはかっこいい女性と魅力的な男性を描くのが本当に上手!
ラブコメが好きな方には特におすすめです。
魔女の宅急便 角野栄子 角川文庫
人間と魔女が結婚をして生まれた子どもが女の子の場合、魔女として生きていく決心がついたら13歳の年の満月の夜にひとり立ちをします。
ひとり立ちをすると、自分の家を離れて魔女がまだいない町や村を探し、たった一人で暮らし始めます。
この物語は魔女の女の子キキのひとり立ち前から、その後1年間の暮らしと成長を描いています。
ジブリアニメでもおなじみ『魔女の宅急便』の原作小説です。
映画のキキ、我慢強くて物わかりが良く、健気で、見ていてちょっぴり苦しくなる方はいませんか?
原作のキキは、もっと等身大の女の子で、愚痴をこぼしたり、八つ当たりをしちゃったり…。
もちろん、素直で一所懸命な女の子だけれど、ちょっとほっとする一面を見せてくれます。
恋愛や友情に対する葛藤も描かれていて共感しながら楽しむことが出来ますよ。

シリーズ本編は6作あります。キキが一年ごとに成長していく様子が描かれています。
年頃のキキが抱く「誰かを好き」という感情。嫉妬や葛藤など、中学生、高校生の年頃の子が経験するような感情を等身大に表現してくれるキキの姿に勇気づけられることでしょう。
わたしの幸せな結婚 顎木あくみ 富士見L文庫
主人公美世は幼い頃に母を亡くし、継母と義母妹に虐げられて育ちました。
十九になったある日、父に嫁入りを命じられます。相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞。
これまで幾人もの婚約者が逃げ出したという悪評高い人物との結婚。
絶望の淵に立たされた美世が出会った清霞という人物とは一体?
現実世界によく似た環境ながら、ファンタジーの世界でのお話。国の政治と異能を持った者たちの攻防戦が描かれています。
異能が溢れる世界でのシンデレラストーリー。政治や攻防戦の中に純粋な恋愛物語が絡んでくるお話です。
文体も易しく、一冊が短めなので非常に読みやすいですよ。

目黒蓮さんと今田美桜さんで映画化もされましたね。
映画もとても素敵でしたが、映画では描き切れなかった部分があったり、少しお話が違ったりしているので、映画を観た方も読むと楽しいと思います。
我が子は小6で読みました。
西の善き魔女 萩原規子 角川文庫
15歳になった主人公フィリエルは、初めての舞踏会の日にダイヤと青い石のついたネックレスを贈られます。
幼馴染の少年ルーンから、それはフィリエルの母の形見だと告げられます。また、この石が王国で最も大切な石だとも…。
普通の田舎の少女だと思っていたフィリエルの出生の秘密、禁忌の研究、そして様々な策略。
平凡だったはずの少女の運命が大きく動き出します。
ファンタジーの王道ストーリーに、少女漫画のようなロマンス要素を加えたティーン向けの作品です。
主人公の周りに巻き起こる様々な思惑や陰謀に翻弄されながら、大事な人を守ろうとする主人公たちの姿をドキドキしながら見守るのが楽しい。
シリーズを読み進めるごとに、主人公に想いを寄せる人の想いの強さにグッときたり、キュンとしたり、恋愛模様も楽しめること間違いなし♪

言葉使いがティーン向けに軽い印象なので、漫画を読むような感覚で読みやすい作品です。
魔法治療師のティーショップ シャンナ・スウェンドソン 創元推理文庫
魔法の力を使って人々を癒す治療師をしていたけれど、身に覚えのない罪を背負わされ逃亡中の主人公エルウィンがたどり着いたのは、魔法の力が働く家。
活気が無く、廃れた村で逃亡資金を稼ぐためにティーショップを始めたエルウィン。
ところがある日、追手に怯えながらも親切な村人たちに囲まれて暮らす彼女の家の庭に傷ついた兵士が倒れていました。
彼の正体とは?エルウィンの運命はいかに?
舞台が中世のヨーロッパのような雰囲気で、おとぎ話に出てくる素敵な風景が脳裏に浮かびます。
主人公がなぜ逃亡中なのか、庭に倒れていた兵士は何者なのか、村が廃れてしまったのはなぜなのか、などミステリのような謎解きの楽しさがありつつ、思わずキュンとするような恋愛模様も描かれていて、ぐんぐんと読み進めることが出来ます。

シャンナ・スウェンドソンの最新作。
登場人物が男女ともに魅力的なのも著者シャンナ・スウェンドソンの特徴の一つ。
ディズニーのプリンセス映画やラブコメ映画が好きな子(大人も!)におすすめです♪
空色勾玉 萩原規子 徳間文庫
輝と闇、二つの氏族が激しく争う戦乱の世に、闇の巫女姫として生まれた狭也は、光を愛する少女。
輝の神殿に縛られていた稚羽矢との出会いによって、狭也の運命が大きく動きます。
古代の日本、神々が地上を歩いていた時代を舞台とした、神話を元にしたファンタジーです。
ファンタジーとしては珍しい、古代の日本を舞台にした作品。
一見難しそうな印象を受けるかもしれませんが、心配無用です。
登場人物たちが女性男性問わずみんな魅力的で、「善」側、「悪」側、どちらにも色々なタイプの人が登場します。善悪関係なく自分の感性にグッと訴えかけてくる人が見つかることでしょう。
人の優しさも狂気じみた部分も、とても美しく魅力的に描かれているのが特徴で、あっという間にその世界観に浸ることができます。

登場人物の中に「推し」が見つかること間違いなしの物語です。
美しいイラストでアニメ化されるのが似合いそうな作品でもあります。
レーエンデ国物語 多崎礼 講談社
レーエンデの風土病、銀呪病。
一度罹ると徐々に身体が銀の鱗に覆われ最後には命を落とすということで、外地の人はレーエンデを恐れています。
英雄として多くの人に慕われる父とともに外地からレーエンデにやってきた主人公ユリア。
彼女が出会うレーエンデの人達。大きくなる革命の渦。友情、そして初めての恋。
彼女の選ぶ道とは。
政治が関わるファンタジー作品で血生臭く登場人物の息遣いがすぐそこに聞こえるような作品です。革命や呪われた大地がテーマの作品ですが、そこに息づく人や自然の描写がとても美しい。「10年に一度の国産大作ファンタジー」と銘打っているだけあって良質なファンタジー作品だと思います。
魅力的な登場人物たちの友情や恋愛模様には感情を大きく揺さぶられます。
キュートでポップな恋愛というよりは、生死をかけた革命の中での素敵な恋模様が描かれており、その想いにグッとくること間違いなし。
どっしりとした良質な大作ながら、文体は軽めで非常に読みやすい作品です。

大人の読書ファンの中でもかなり話題になった物語です。
レーエンデ作品を読むことを「入国する」と表現して盛り上がるほど。
私自身も寝るのを忘れ一気読みして楽しんだ作品です。
ニューヨークの魔法使い シャンナ・スウェンドソン 創元推理文庫
テキサスからニューヨークへ出てきた主人公ケイティ。
噂に聞いてはいたけれど、ニューヨークには変な人がいっぱい。でも、誰も見向きもしない。
それがニューヨーク。
…と思っていたのだけれど。ある日ケイティのパソコンに仕事のオファーが届きます。
謎の差出人、はっきりしない仕事内容。ちょっと興味をそそられて面接に向かったケイティが知った衝撃の事実とは!?
ハリーポッターとブリジットジョーンズの日記が混ざったような、不思議でチャーミング、かつドキドキするお話です。
ニューヨークを舞台に魔法の世界が繰り広げられるお話で、そこに仕事や恋愛、友人関係が絡み、ドキドキワクワクが止まりません。
ハリーポッターの世界観が好きな子や、恋愛模様のドキドキを楽しみたい子、謎解き要素もたっぷりあるためミステリーが好きな子におすすめ!

私自身もですが、中学生の子どももドはまりした物語。
シリーズ9作をほぼ一気読み。
読書好き&ファンタジー好きの方からの評価も高い作品です。
精霊の守り人 上橋菜穂子 新潮文庫
女用心棒の主人公が、とある王国の皇子を父帝が仕掛けてくる刺客や異界の魔物から体を張って守ります。
皇子が命を狙われる原因になったのは、その体に精霊の卵を宿したから。その卵がかえると大干ばつが起きるといいます。
百戦錬磨の女用心棒と、勝ち気でまっすぐな少年皇子の物語です。
映像化、舞台化もされている作品。
文化人類学者でもある作者が、神話や伝承などを丁寧に構築した架空の世界を舞台にしたファンタジー小説です。シリーズ本編が10作あります。
主人公が30歳の女性で、非常に強い。特別な事情を抱えた皇子を守り抜くかっこよさが際立ちます。
架空の世界ながら、神話や伝承の裏付けがしっかりされていて政治の動きも楽しめる作品です。
生まれながらにして皇子である少年の苦悩や覚悟、百戦錬磨の女用心棒が抱えているであろう過去や葛藤が手に取るように感じられ、読みながら皆が幸せになる方法はないのだろうかと考えてしまいます。
この彼女を心から愛する男性との距離感や抱える葛藤は、シリーズ通してキュンとしたり、グッと来たりと、感情を大いに揺さぶられます。

壮大すぎる!本当に全部架空の世界の話なのかと疑ってしまうくらい、素晴らしい世界観です。
恋愛はもちろん、政治的な駆け引きや人間模様などを楽しみたい方におすすめです。キングダムや三国志が好きな方にぴったり♪
おわりに

王道の「キュン」が味わえるものから、自分の経験と重なるもの、壮大な愛、など、様々なタイプの【ファンタジー×恋愛】作品をご紹介しました。
小学校高学年~中学生、高校生にとって「恋愛」も本を楽しむ大きな要素になると思います。
子どもたちが安心して読めるものばかりを集めたので、どうぞお子さんに紹介してみてくださいね。
児童書として出版されたものも、一般向け小説として出版されたものもありますが、どれも、ティーン、大人問わず楽しめます。
親子で読んで感想を語り合うのも面白いですよ♪

我が家は親子で読んで、推しや、好きな場面について語り合ったりしています♪
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