【ミステリー好き小学生・中学生に絶対に読んで欲しい!】アガサクリスティおすすめ本13選

児童書・小説

「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサクリスティ。
私はアガサクリスティ作品が大好きです。
その理由は、トリックが恐ろしいほどによくできているのはもちろん、ポワロやミスマープルといった登場人物たちが魅力的であり、人間関係や心理描写を存分に楽しめるから。

そして難しくない!
海外文学、時代も少し前の作品なのに読みにくさがありません。

アガサクリスティ作品には有名作品で伝説になっているトリックがいくつもあり、これをいつまでもネタバレしない状態で過ごすのは至難の業。
ミステリーが好きなお子さん(もちろん大人も)には、ぜひ真っ新な状態でこの楽しさを味わって欲しい!
そんな熱い気持ちで、小学生、中学生でも読めるアガサクリスティ作品をご紹介します。

この記事を書いた人
  • 元幼稚園教諭
  • 元小・中・高生の家庭教師
  • 小中学生二児の母
  • 子どものころから本が大好き
  • 子どもが「本」と仲良くなれる方法を発信中
  • 「楽しく学ぶ」をモットーに様々なツールを使って子どもと学習中

※当ブログはアフィリエイトプログラムに参加しています。内容は個人の感想で構成しています

我が家の子どもは中1で「アクロイド殺し」を読み、アガサクリスティ大好きに。

お子さんにおすすめしやすいように、ネタバレにならない範囲で恋愛要素の有無や、凄惨さの程度を記載しています。参考にしてください。

はじめに

アガサクリスティ作品には、シリーズ作品と単発の作品があります。
シリーズ作品は

  • ポワロ
  • ミスマープル
  • トミー&タペンス

シリーズ作品はここで紹介しているものなら、基本的にどの作品から読んでも大丈夫です。
時間の経過はありますが、内容が分からないことはなく楽しめます。
(実際に私自身もバラバラで読んでいます。)

基本的に一般向けのハヤカワ文庫版を紹介しますが、ジュニア版があるものはそちらもあわせて紹介します。
小学生や本を読みなれていない中学生はイラストやフリガナがあるジュニア版、本好きの中学生は一般向けがおすすめです。

オリエント急行の殺人

あらすじ

★ポワロシリーズ
真冬のオリエント急行の車内が舞台。
この豪華列車には、国籍も年齢も性別も職種もさまざまな人が乗り込んでいました。
そんな列車が大雪で立ち往生。外部との連絡手段もありません。
そこで起きる殺人事件。
たまたま乗り合わせた名探偵ポワロがこの事件の解明に乗り出しますが、全ての乗客には完璧なアリバイがあって…。

言わずと知れた名作中の名作ですね。
映画化もされているので、ご存じの方も多いことでしょう。
名作ゆえにオマージュ作品も多いので、特にミステリー好きのお子さんなら、他でこのトリックに出会う前に読んで欲しい!
ミステリーの楽しさ、本を読むことの楽しさがこれでもか!と味わえる作品です。
凄惨な描写はなく、事件描写はマイルドなので小学生や怖がりさんにもおすすめです。

〈子ども向けはこちら〉

ハヤカワからジュニア版が出ていましたが、現在購入が出来ない状態になっています。
名作なので、復活することを願っています。

アクロイド殺し

あらすじ

★ポワロシリーズ
とある村の名士アクロイドが刺殺体となって発見されます。
警察によりアクロイドの親族などのアリバイ調査が行われ、村の医者シェパードはそれを克明に記録しようとしますが、事件は迷宮入りの様相を呈し…。
そんな中、村に越してきた風変わりな男が名探偵ポワロだと判明します。
ポワロの登場で事件は新たな展開を見せるのですが…。

この作品が世に出された時にとある論争を巻き起こしたという伝説がある、こちらもアガサクリスティを代表する名作。
この本のトリックは今やいろいろな作品で見られますが、やっぱりこの最初の衝撃は本家アガサ作品で味わって欲しい!
本でミステリーを読む楽しさが存分に味わえます。
凄惨さは全くと言っていいほどなく、人間模様とトリックをお楽しみあれ♪な作品です。

私は読後数日間衝撃を引きずりました。
中学生の我が子の一番好きなアガサ作品。

〈子ども向けはこちら〉

ナイルに死す

あらすじ

★ポワロシリーズ
婚約した美しい資産家のリネットは夫とのエジプトハネムーン旅行に胸を躍らせますが…。
2人の幸せに黒い影が。夫の元婚約者が二人のあとをつけてくるのです。
不穏な空気を纏いながら続くハネムーン。
そしてついに、事件が起こります。
たまたまこの旅に同行していたポワロが暴き出す意外な真相とは!?

ポワロシリーズの中でも長編作品で、映画化もされており、人気の作品です。
エジプトを旅行しながら進行していく話で、エジプトの観光名所がたくさん出てくるので、
セレブのエジプト旅行に同行したような優雅な雰囲気が味わえます。
優雅な旅がずっと纏っている不穏な空気が、「この先何が起きるんだろう」と興味を引き出してくれ、先が気になってどんどん読んでしまいます。
恋愛絡みの作品ですが、子どもに読ませるのに不安な表現はなく、事件描写も凄惨ではありませんが、小学生には、ジュニア版が読みやすいでしょう。

エジプトなど、中東の歴史好きの子にもおすすめです。

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死との約束

あらすじ

★ポワロシリーズ
エルサレムを旅行中のポワロはホテルの部屋でとある会話を耳にします。
「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃ…」
その後ポワロの嫌な予感が現実となり、殺人事件が発生。
犯人は一体!?動機は?
中東を舞台に、とある家族にまとわりつく不穏な影をポワロが解明していきます。

なんといっても、話の掴みが最高。
これから起きる事件も被害者も犯人もほぼ分かったかのような物語の始まりが楽しい。
犯人や動機が分かりそうなヒントが与えられているのに分からない面白さがつまった作品です。
物語のカギを握る重要シーンは鳥肌もの!
凄惨さはないので、心配はありませんが、ジュニア版がないことや、心理描写などを考えると中学生以上が楽しめると思います。

三谷幸喜さんにより映像化されています。
(オリエント急行、アクロイド殺しと共に)
舞台を日本に移していますが、これが面白い!
原作を読んでから観るのがおすすめです。

メソポタミヤの殺人

あらすじ

★ポワロシリーズ
考古学者と再婚したルイーズの元に元夫から脅迫状が届きます。
ルイーズを心配した夫は、彼女付きの看護婦を手配しますが、ルイーズの不安は募るばかり。
中東の発掘現場の宿舎を舞台にした、不可解な恐怖と謎にポワロが挑みます。

登場人物のキャラクターの豊かさが際立っており、ストーリーもシンプルで、舞台も固定されているため、子どもにも読みやすい作品です。
脅迫や、不可解なものを目撃するなどの要素があるので、怖がりな子は少しドキドキするかもしれません。
事件やその描写には凄惨さがないので、心配はいらないと思います。
ミステリーの面白さが存分に味わえる作品です。

〈子ども向けはこちら〉

葬儀を終えて

あらすじ

★ポワロシリーズ
「だって彼は殺されたんでしょ?」
アバネシ―家当主の葬儀のあとで、末娘が口にした一言。
誰も本気にしなかったこの発言でしたが、その翌日に世界が一変します。
なぜ、末娘はそんなことを言ったのか?
一家に起きた怪事件の解決にポワロが挑みます。

物語の見え方が二転三転する作品で、ミステリーの楽しさが存分に味わえます。
事件の内容、人間関係の複雑さから、中学生以上におすすめです。
アガサクリスティ作品にしては、少々凄惨な描写がありますが、それでも他の小説に比べてアガサ作品はマイルドな描写をしているので、中学生以上なら大丈夫だと思います。
読後に、もう一度読み返したくなるようなミステリーらしい作品です。

スタイルズ荘の怪事件

あらすじ

★ポワロシリーズ
ポワロの親友ヘイスティングズが訪れたスタイルズ荘。
なんとここで到着早々、事件が発生。
館の女主人が毒殺されたのです。
そこで調査に現れたのが名探偵ポワロ。この事件の真相とは!?

アガサクリスティのデビュー作であり、ポワロ初登場の作品です。
物語に派手さはないものの、アガサクリスティが得意とする人間関係の描写が素晴らしい。
殺人事件が起きるミステリーながらも、人が人を想う気持ちが根底に流れています。
初登場のポワロがドタバタしている印象で、ポワロの魅力もたくさん詰まっていますよ。
凄惨さや不穏な雰囲気はないので、怖がりさんでも読みやすい作品です。

〈子ども向けはこちら〉

白昼の悪魔

あらすじ

★ポワロシリーズ
舞台は美しく平和な避暑地。
そこに滞在する元女優が何者かに殺害されます。
隔離された島で起きた事件。犯人はこの島の滞在者の中にいる!
たまたま居合わせたポワロが調査を開始しますが、全員に鉄壁とも思われるアリバイが。
事件の犯人、そして真相とは!?

閉鎖寄りの場所での物語ですが、橋で本土と行き来ができるリゾート島での出来事なので、不安感なく読むことが出来ます。
登場人物も明るくて優しく、個性豊かでとても読みやすい作品です。
ジュニア版はありませんが、凄惨さはなく、中学生や怖がりさんにもおすすめです。

五匹の子豚

あらすじ

★ポワロシリーズ
「母は無実だったのです」
16年前に起きた事件で殺人犯になった母の無実を証明したい、という娘からの依頼を受けたポワロ。
娘の頼みに心が動いたポワロは、過去へと遡り、再調査を始めます。
過去の関係者から得られる不確かな証言を元に真実へと迫っていきます。

過去の事件を解明していく作品です。
事件の関係者5人への調査を元に、当時の状況を組み立て再現していくポワロの敏腕っぷりが光ります。
読者も一緒に過去へタイムワープしたかのような感覚になり、謎を一緒に解くような楽しさが味わえます。
凄惨さはなく、事件自体も過去のものなので、怖さはありません。
恋愛感情が絡んでくるお話でもあるので、その理解の側面から中学生以上が楽しめると思います。

それほど有名作品ではありませんが、私はお気に入りです。
記憶の曖昧さとその中に見え隠れする意図が複雑に絡まりあっていて、ポワロと一緒に犯人探しをするのが楽しい♪

ABC殺人事件

あらすじ

★ポワロシリーズ
「注意することだ」
ポワロの元に届けられた挑戦状。その予告通りにAで始まる地名のAの頭文字を持つ名前の人物が殺されます。
すぐさま調査に乗りだすポワロですが、それをあざ笑うかのようにさらなる悲劇が。
たびたび届くポワロへの挑戦状通りに殺人事件が起こるのです。
この事件の真相とは一体。

アガサクリスティ全盛期の代表作。
予告連続殺人ということで、アガサ作品の中でもドキドキ度高めの作品です。
怖がりさんにはあまりおすすめできませんが、構成はとても面白い!
スピード感がある中で、二転三転していくストーリーにまんまと乗せられるミステリの楽しさが存分につまっています。
予告連続殺人ものながら、ジュニア版があるのも納得の作品です。
日常でネタバレ可能性の高めの作品なので、怖がりさんでなければぜひ読んで欲しい作品のひとつです。

〈子ども向けはこちら〉

パディントン発4時50分

あらすじ

★ミスマープルシリーズ
ロンドン発の列車の車内で老女は衝撃の光景を目にします。
なんと並走している列車の車内で今まさに女性が首を絞められて殺されるところだったのです。
しかし車内に遺体は見つからず、鉄道会社も警察も相手にしてくれません。
そこで動き出したのが老女の友人、ミスマープルでした。
果たしてミスマープルはこの謎を解くことができるのか!?

こちらは、「ミスマープル」が探偵を務めるシリーズ作品です。
ミスマープルは、田舎に住むおばあちゃんで好奇心が旺盛。
現地に足しげく通い、自ら被疑者と会話を重ねるポワロとは違い、耳にした情報を元に推理を進めていく【安楽椅子探偵】です。
読者もミスマープルと同様の情報を得ることになるので、一緒に推理を楽しむ事ができます。
衝撃的なオープニングで掴みがばっちりの今作、小学校高学年くらいから楽しめると思います。

〈子ども向けはこちら〉

なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

あらすじ

若い男女ボビィとフランキーが主人公。
ある日ボビィは崖から転落した瀕死の男を発見します。
彼はボビィに「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」と言い残して息を引き取ります。
幼馴染のお転婆なお嬢様フランキーとともにこの謎の言葉の意味を追うボビィ。
果たしてこの謎は解けるのか!?

ポワロでもミスマープルでもない、単発作品です。
この作品は、主人公の二人のポップさが最大の特徴。
若い男女の軽快でユーモアあふれる姿が、現代のキュートなハリウッド映画を思い起こさせます。
お転婆なお嬢様の行動力とそれをサポートするボビィの関係も心地よく、ミステリーと同時に二人の関係性も楽しめます。
ドキドキハラハラのジェットコースターのような物語です。
中学生以上におすすめです。

アガサクリスティの描く女性、生き生きとした人が多くて読んでいて気持ちが良いです。フランキーもその代表です♪

そして誰もいなくなった

あらすじ

互いに面識がなく、職業、年齢、性別がバラバラな10人が孤島に招待されるところから始まる物語。
10人が孤島に上陸するものの、招待主の姿はなく、代わりに招待客の過去を暴露する謎の声が響き渡ります。
そして不気味な童謡の歌詞通りに、彼らは一人ずつ殺されていきます…。

ポワロ、ミスマープルではない単発作品。
これはタイトル、内容ともに有名な作品ですね。
こちらをオマージュした綾辻行人さんの『十角館の殺人』も非常に有名です。
現在進行形で殺人が起きていくので、小さすぎる子や怖がりさんにはお勧めできませんが、ミステリー好きならネタバレする前に読んで欲しい作品です。
孤島、密室、殺人と王道中の王道ミステリ、最高傑作です。

個人的には『十角館の殺人』よりは描写もかなりマイルドな印象。
王道のミステリーを楽しみたい子には本家のアガサ版から読むのがおすすめです。

ハヤカワからジュニア版が出ていましたが、現在購入が出来ない状態になっています。
名作なので、復活することを願っています。

おわりに

記憶を消してもう一度読みたい!と思うほどどれも面白いアガサクリスティ作品。
殺人が起きるミステリーですが、凄惨さが少なく、描写もマイルドなので、子どもや怖がりさんでも楽しめるのが嬉しいポイントです。(私も怖がりです)

ミステリーが好きな子には、ぜひどこかでネタバレを受ける前に楽しんで欲しい!

普段読書をしない子でも、先が気になって読み進めてしまうのがミステリーの良いところ。
そんな子には『オリエント急行の殺人』『アクロイド殺し』『ABC殺人事件』などアガサクリスティの代表作を紹介してみてくださいね。

★小中学生におすすめのミステリー作品を多数紹介しています♪



しゃうく

・元幼稚園教諭
・元小・中・高生の家庭教師
・小学生中学生二児の母
・自宅の絵本、児童書蔵書数1000冊以上
・自身も本が大好き

「本を読むって楽しい!」
「学ぶって楽しい!」

おとなも子どもも背伸びしすぎず、楽しく「絵本」「本」「学び」に向かえるように。

そんな思いで、自身が保育・教育・子育てに携わる中でよかったものを紹介しています。

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