【本好き小学生が実際に読んだ】4年生5年生におすすめ!楽しく読める児童書15選

児童書・小説
この記事を書いた人
  • 元幼稚園教諭
  • 元小・中・高生の家庭教師
  • 小中学生二児の母
  • 子どものころから本が大好き
  • 子どもが「本」と仲良くなれる方法を発信中
  • 「楽しく学ぶ」をモットーに様々なツールを使って子どもと学習中

小学校低学年の時に「字だけの本は読めない」と宣言した経験を持ちながら、今では年間100冊以上の本を読む我が子が小学校4,5年生で読んだ本を中心にご紹介します。(現在中学生)
どれも、母である私も実際に読んで良かった本ばかり。

長く愛されているものから、最近刊行されたものまで、子どもたちが「本を読むっておもしろい!」と感じられる【背伸びしすぎない】本を選んでいます。
読書感想文にもおすすめです♪

多少重複しますが【5,6年生におすすめの本】【5,6年生の読書感想文におすすめの本】は以下の記事で紹介しています。

※当ブログはアフィリエイトプログラムに参加しています。内容は個人の感想で構成しています

ふしぎな図書館と魔王グライモン 廣嶋玲子 講談社

あらすじ

誰もが知る名作が、わがままな大魔王にめちゃくちゃにされてしまいます。
大げんかするヘンゼルとグレーテルや塔から抜け出さないラプンツェル。
なんだかおかしくなったお話たちを元に戻すため、小学4年生の主人公宗介が物語の世界を大冒険!
物語の世界の危機を救うことは出来るのでしょうか?

『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』の作者廣嶋玲子さんの新シリーズです。
お話を読みながら、「この物語のどこがおかしくなっちゃったんだろう?」と、主人公と一緒に考えるのが楽しい!
謎を解き明かす楽しさが感じられ、結末への興味であっという間に読めてしまいますよ。
ドキドキハラハラ、楽しくミステリアスな冒険をしながら、物語や本を読むこと、想像力の大切さなど、気付きを得る部分も多いはず。

かみさまにあいたい 当原珠樹 ポプラ社

あらすじ

大好きなおばあちゃんに嘘をついたまま永遠の別れを経験した小学校3年生の雄一。
同じクラスの竜也は、クラスで問題児扱いの暴れん坊。
そんな二人がひょんなことから行動を共にするように。
それぞれ事情があって「かみさまにあいたい」思いを抱える二人が、心の傷を乗り越えて成長していく物語。

あらすじだけ読むと、感傷的な気分になってしまいそうな印象がありますが、実際に読むと「おもしろい!」気持ちが勝ります。
というのも、冒険要素や、ちょっぴりドキッとするミステリ要素もあるからなんです。
読みながら一緒にドキドキワクワクすることが出来、文字も大きめなので、普段読書をしない子にもおすすめのお話です。

おばけ美術館へいらっしゃい 柏葉幸子 ポプラ社

あらすじ

小学校5年生の女の子まひるが主人公。
ある日まひるは、ひょんなことからとある美術館の館長のアルバイトを引き受けることに。
でもこの美術館、なんだかちょっと変な感じ…。
面白半分、軽い気持ちで引き受けたまひるを待っていたものとは!?

「おばけ美術館」というタイトル通り、ちょっと変わっていて楽しい美術館のお話で、楽しくあっという間に読めます。
楽しさに加えて、じっくり考えさせられるようなテーマが物語の軸。
子どもが、こんな世界があったらおもしろいなと想像力を働かせて思い浮かべた世界が目の前に現れたようなお話です。

アーヤと魔女 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 徳間書店

あらすじ

孤児院で育ったアーヤは、なんでも自分の思い通りになる孤児院が大好き。
それなのに、ある日突然、引き取り手が現れてしまった!
新しい養父と養母についていってみると、なんとそこは魔女の家。
全然思い通りにならない毎日に嫌気がさしたアーヤは、ここで暮らす黒猫と一緒に魔女に立ち向かう呪文を作り始めますが…。

ハウルの動く城の原作者の描いた物語です。
まず、主人公のアーヤが全然いい子ちゃんではないことに興味が湧きます。自分の意志がしっかりあって、どんな環境でも動かしていってやろうという勢いが感じられます。
子どもたちにとって、相手が大人であろうと魔法使いであろうと立ち向かっていくアーヤの姿は輝いて映るのではないでしょうか。

マジック・ツリーハウス1 恐竜の谷の大冒険 メアリー・ポープ・オズボーン KADOKAWA

あらすじ

アメリカペンシルベニア州に住むジャックとアニーの兄妹が主人公。
ある日二人は不思議なツリーハウスを発見します。中を覗いてみると…たくさんの本!
大好きな恐竜の本を見つけたジャックがとある言葉を呟くと…とんでもないことが。
変わってしまった世界でジャックとアニーの大冒険が始まります!

ツリーハウスから始まる大冒険、本当にワクワクします。
とあるきっかけで違う世界に飛ばされてしまう二人ですが、そこでの大冒険がスピード感があり楽しいです。自分がその世界に迷い込んだかのようなスリルが味わえるのも楽しいですよ♪
一冊が薄いので、読書に抵抗感がある子も手に取りやすいと思います。

怪盗紳士アルセーヌ・ルパン ルブラン 角川つばさ文庫

あらすじ

ニューヨークに向かうフランスの豪華客船。
なんとこの船に、怪盗と名高いアルセーヌ・ルパンが乗り込んでいるという噂が。
巧みな変装技術を持つ彼は、一体どこにいて誰に変装しているのでしょうか?
傲慢な大金持ちから金品を奪い、貧しい人には力を借す、フランス英雄的大泥棒、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンの物語。

大人向けに書かれたルパンの物語を子どもにも読みやすいようにまとめられた作品です。
読みながらルパン探しが出来る楽しさが味わえて、読書の楽しさを感じることができるでしょう。
ルパンの正体を見破った時の快感も存分に味わえます。
ルパンの正義を感じ、自分の正義と照らし合わせて感じることを感想文にするのも面白そうですね。

暗号クラブ1 ガイコツ屋敷と秘密のカギ ペニー・ワーナー KADOKAWA

あらすじ

小学生の女の子コーディが主人公。
コーディは学校で暗号クラブを結成。メンバーは四人。みんな謎解きと冒険が大好きです。
ある日コーディの家の向かいにある通称『ガイコツじいさん』の家が火事で燃えてしまいます。様子を見に行ったコーディが見たのは怪しい人影。
ガイコツじいさんに迫る危険とは一体!?

この物語の楽しいポイントはなんといっても、物語の中にたくさんの暗号が散りばめられていて、それを読者も一緒に解けるようになっているところ。
暗号対応表がついており、読むだけではなく参加できるのがいいですね!
でも、自分で解かなくてもコーディたちが解いてくれるので物語を読むだけでも問題なし♪
小学生が大活躍するドキドキハラハラの冒険ミステリーです。

クレヨン王国の十二か月 福永令三 講談社青い鳥文庫

あらすじ

大みそかの夜、主人公ユカが目を覚ましぼんやりと明るい方を見ると…なんと12本のクレヨンたちが会議を開いていました。
どうやらクレヨン王国の王さまが、王妃の悪い癖が治らないうちは帰らない、といって行方をくらましたらしいのです。ついつい会議に口を挟んでしまったユカ。そこに王妃が現れて…。
王妃とユカは一緒に王さまを探す十二か月の旅に出ます。

普通の女の子がクレヨン王国という世界に入って行く瞬間がなんとも不思議で何度読んでもわくわくします。
十二か月を旅する王妃とユカの衣装がどんどん変わってくところはおしゃれが好きな子にはたまらなく楽しいですよ♪

そして五人がいなくなる はやみねかおる 講談社青い鳥文庫

あらすじ

中学生の三つ子の主人公のお隣に引っ越してきたのは名探偵。
…のはずなのだが…この自称名探偵は物忘れの名人で、自分がごはんを食べたかどうかさえ忘れる究極のマイペース人間。
夏休み。町の遊園地で次々に子どもが消える「怪人伯爵事件」が発生します。この謎を名探偵夢水清志郎は解決することが出来るのでしょうか。

ぐうたらな名探偵が事件に挑み、ひょうひょうと解決していくカッコよさが癖になる作品です。
トリックや伏線の張り方はしっかりミステリ調で、この作品をきっかけにミステリ好きになったという人も多いでしょう。
一風どころかすべてが変わっている名探偵が主人公で、笑える場面もありつつ、シリアスに問題と向き合う場面もあって心が動かされるシリーズ作品でもあります。

怪盗クイーンはサーカスがお好き はやみねかおる 講談社青い鳥文庫

あらすじ

飛行船で世界中を飛び回り、狙ったお宝を必ず手に入れる怪盗クイーン。
ところが、クイーンが狙っていた宝石が謎のサーカス団に横取りされる事態が発生します。
サーカス団の目的とは?クイーンは果たして宝石を奪い返すことが出来るのでしょうか。

猫のノミ取りに夢中になっていたかと思えば、華麗に宝を盗む姿には憧れの気持ちがつのります。
クイーンの助手のジョーカーや、敵となる探偵卿など、シリーズが進むごとに魅力的な登場人物が次々と登場するのも楽しいポイントです。

参上!ズッコケ忍者軍団 那須正幹 ポプラ社

あらすじ

小学校6年生の主人公の男の子、ハチベエ、モーちゃん、ハカセたちの通う小学校の子どもたちの秘密の虫とり場が、突然、他の学校の子どもたちに取られてしまいます。
秘密基地を取り返すべく立ち上がったハチベエたち。同士を集めて秘密基地に攻撃を仕掛けますが…。果たして秘密基地、ハチベエたちの行方は!?

大人気ズッコケ三人組シリーズの中の一作。
基地を取り返すべく立ち上がった子どもたちが取った作戦は、誰もがワクワクするでしょう。
「こんなこと出来たらいいな」を実行してくれるのがズッコケ三人組の魅力。破天荒な行動に夢がつまっていて自分も冒険しているような気持ちになります。

小説映画ドラえもん のび太の絵世界物語 伊藤公志 小学館ジュニア文庫

あらすじ

数十億円の価値がある絵が発見されたというニュースを横目に、苦手な絵の宿題に取り組むのび太。上手に書けずにめげている所、突然頭上から絵の切れ端が落ちてきます。
ドラえもんの秘密道具を使ってその絵の中に入り込むと、不思議な少女クレアに出会います。
祖国が滅亡の危機にさらされたクレアとその祖国を救うため、のび太たちの大冒険が始まります。

2025年春のドラえもん映画のノベライズです。
物語全体が謎に包まれていて、その謎を解いていくための伏線がいくつも張り巡らされており、ミステリを読む楽しさも感じられる作品です。
歴史や古いものの価値など、これまで思いを馳せるきっかけが無かったことに触れて考える良い機会にもなると思います。

ナルニア国物語 ライオンと魔女と洋服だんす C.S.ルイス 角川つばさ文庫

あらすじ

四人の兄妹が両親と離れ、田舎の風がわりな教授の家に預けられたところから物語が始まります。
家の中を探検してると、末っ子のルーシーが大きな洋服だんすを見つけます。
たんすに入ったルーシーが進んでいくと…なんとたんすの奥は悪い魔女が支配する魔法の国ナルニアに繋がっていました。
命がけの冒険をへて、四人は不思議なライオンアスランと共にナルニア国を救うため、魔女に戦いを挑みます。

有名な場面から始まるナルニア国物語第一作目のお話です。
タンスを抜けたら別の世界にいるなんて夢のよう。
子どもたちには、現実から突然目の前に不思議の世界が現れた瞬間の高揚感を存分に味わって欲しいですね。

色々な出版社から出ています。
個人的には岩波書店のカラー版が美しくて好きですが、娘はかわいいイラストに惹かれ、角川つばさ文庫で読みました。訳も新しく、解説も分かりやすくてお子さんにはおすすめです。

岩波書店のカラー版はこちら。

10歳までに読みたい世界名作 王子とこじき マーク・トウェイン Gakken

あらすじ

ある時代のイギリスに容姿がそっくりの二人の男の子がいました。
一人は、イングランド国王の息子エドワード。もう一人はロンドンのきたないガラクタ横丁で暮らすトム。
一生交わることもないはずだった二人が、ひょんなことから入れ替わってしまいます!
ロンドンの町中に放り出された「王子」と、王子と勘違いされて王宮で暮らすことになった「こじき」は、元の自分に戻れるのでしょうか?
はたして戻りたいと思うのでしょうか?

トムソーヤの冒険などを生み出したマーク・トウェインが描いた物語です。
名前は聞いたことがあっても、内容までは知らないという方も多いのではないでしょうか。
我が家では小学生の子どもに毎晩読み聞かせをして楽しみました。
古い物語ですが、多くの人に読まれてきた物語は今読んでも面白い!
我が子は、二人の今後がどうなっていくのかハラハラしながら楽しんでいました。

このシリーズは完訳ではありませんが、子どもに分かりやすく、かつ元の物語の良さを壊さないように非常に丁寧に作られていると感じます。
これで興味を持った子が中学生、高校生になった時に「昔読んだな」と思い出して完訳版を読むきっかけになると嬉しいですよね。

『10歳までに読みたい世界名作』について紹介の記事を書いています。
海外文学、児童文学好きの私から見たおすすめのポイントを紹介しています。

10歳までに読みたい日本名作 走れメロス/くもの糸 太宰治/芥川龍之介 Gakken

あらすじ

走れ、メロス
王の悪政に耐えられず抗議したメロスは処刑を言い渡されます。でもメロスにはすぐに処刑されたくない事情がありました。そこで親友のセリヌンティウスを人質にし、三日の猶予をもらうことに。
親友の命を救うため、信頼に応えるため、メロスは走ります!

くもの糸
悪いことをたくさんしたために地獄に落とされたカンダタの目の前に極楽行きの銀色の糸が垂れてきます。カンダタはそれをたぐり、上へとのぼって行きますが…。

こちらも「題名は知ってる!」という子が多いお話だと思います。
自分の都合で勝手に親友を人質にしてしまうメロスに突っ込みつつ、次々と降りかかる難題に立ち向かうメロスの動向を追っていると、本を読む手が止まらなくなります。
自分だったらどうかな?なんて考えることもしたくないほど、究極の状況のお話ですが、メロスが処刑を言い渡された理由や、セリヌンティウスが人質になった理由、王が残酷な理由など、きりがないほど考えることの多いお話だと思います。

くもの糸はとても短く、あっという間に読めます。
でも、この短い中に人の心にすっと刺さるものが込められているのはスゴイ。
子どももあっけにとられる潔いお話で、印象に残ったようでした。
(ドラクエ好きの子どもには、ちょっと驚きの事実も隠れていて喜んでいましたよ♪)

子どもは読後に、「原作はどんな風に書かれているのか?」に興味を持っていました。メロスの身に起きたことや、セリヌンティウスの気持ちなどもっと詳細に知りたいようです。世界が広がるきっかけになっていると感じました。
また、「太宰治」「芥川龍之介」など「昔の人で自分には関係ない」という印象の人のお話も、「読んだら楽しい!」ことが分かる良い経験になりました。

おわりに

子どもたちに「本の楽しさを知って欲しい」という気持ちで、背伸びしすぎず楽しく読める本を紹介しました。

我が子たちは本が好きですが、本なら何でも読む!と言うほどの活字好きではありません。
それぞれに好みがあり、途中まで読んでも「合わない」と読むのをやめてしまうこともあります。
(読書好きの私も同様です。)

ですから、色々な本の中からお子さんが興味を持ちそうなものを見つけていただけたらという気持ちで紹介しています。
様々なくくりで児童書を紹介していますので、他の記事ものぞいてみてくださいね。
お子さんが夢中になって読める大好きな本に出会えることを願っています。

ミステリ本を集めて紹介しています。

海外児童文学の名作を紹介しています。


しゃうく

・元幼稚園教諭
・元小・中・高生の家庭教師
・小学生中学生二児の母
・自宅の絵本、児童書蔵書数1000冊以上
・自身も本が大好き

「本を読むって楽しい!」
「学ぶって楽しい!」

おとなも子どもも背伸びしすぎず、楽しく「絵本」「本」「学び」に向かえるように。

そんな思いで、自身が保育・教育・子育てに携わる中でよかったものを紹介しています。

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